武富ハイツ移動商店
沖縄タイムス2014年11月24日
「武富ハイツ移動商店」が20日、同自治会館前広場であり、お年寄りや親子連れら多くの人が訪れた。地域の憩いの場をつくり、高齢者の買い物の不便さを解消しようと糸満市社会福祉協議会と同自治会が企画。“開店”30分前から待つ客もいる人気で、卵や牛乳、総菜、パンなどに多くの人が手を伸ばし、雑談に花を咲かせた。
10月に続いて2度目で、6業者が車の荷物室やテーブルに商品を並べて販売。およそ40人の客が「いくらですか」と品定めし、地元の人が出品したホウレンソウやネギといった野菜は完売した。
白菜や豆腐、エノキを買った地元の平良澄子さん(75)は数カ月前に足を痛め、歩行器を支えに買い物に訪れた。近くの商店まで片道20~30分はかかるといい、「こういう催しがあると助かる。車を出す家族に気兼ねせず買い物できるし、みんなとおしゃべりできることも楽しい」と喜んだ。
宮里邦男自治会長(67)によると、武富ハイツにはコンビニエンスストアしかなく、最も近いスーパーまで一般男性でも徒歩で片道15~20分ほどかかる。移動手段がなく、知人の買い物に同行をお願いするお年寄りもいる、という。
集いの場を地域につくろうと提案する講演会が同自治会館で昨年開かれたこともあり、買い物弱者の支援も兼ねて実施。北谷町栄口区の「えぐち商店」を参考に、市社協と共に実施した。
移動商店での雑談を機に、サークルに通い始めた70代の男性もいる。宮里会長は「人を知る、交流するきっかけになる。見守り活動にもつながる」と期待。自治会では、住民の意見を聞き、商店を開く頻度などを検討する。
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